初代天皇は誰なのか?学校でもはっきりとは教えてくれないし、テストにも「初代天皇は?」とうい問題は、まず出ない。なぜなのか?
実は、”初代天皇が誰なのかは、はっきり分からない”というのが本当のとろこなのです。
古事記や日本書紀によると初代天皇は神武天皇(じんむてんのう)ということになっています。しかし、この神武天皇、日本書紀では127歳。古事記では137歳まで生きたとされている。ここまで長寿なのはさすがにおかしい。
(神武天皇像)
さらに、第2代〜第9代までの8人の天皇は「欠史八代」と言われ、政治的な業績やエピソードなど殆ど残っていない為、架空の人物では?という見方が一般的です。(ちなみに、この欠史八代も長寿な天皇が多く、第5代考昭天皇は93歳。第6代考安天皇は123歳。第7代考霊天皇は106歳まで生きたとの記録があります。)
そして、第10代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)になると民衆に租税を課す、戸籍の整備に着手などといった急に具体的かつ現実的な記録が「日本書紀」に残され始める為に、この崇神天皇こそが最初の天皇なのでは?という見方をする方も多いのです。
また、日本書紀では神武天皇も崇神天皇も「はじめて国を治めた王」という意味合いの「ハツクニシラススメラミコト」という同じ別名で呼ばれているのも興味深く、崇神天皇こそが初代天皇という説に拍車をかけています。
では、崇神天皇が実在した最古の天皇なのか?
確かに、崇神天皇が初代天皇であるという説を唱える研究者の方も多くいますが、その一方で欠史八代の天皇についても実在説は根強いのです。
神武天皇から第9代開花天皇までは支配領土が少なかった為、資料的には少ないが崇神天皇になり領土が一気に拡大した為に記述が詳細になったという見方をする人など諸説は多数あり、結論は出ていません。
天皇家については、余りにも長い歴史であるために、初代天皇については謎に包まれた部分が多いのですが、いずれにせよ、崇神天皇からは史実にもとづいているという見かたが一般的です。
ちなみに、年代については、崇神天皇が崩御されたのが「古事記」に戊寅年と記載されており、これは西暦318年にあたる可能性が高い。この辺りから崇神天皇は3世紀末から4世紀前半に実在した天皇だと推測する学者の方も多く、仮に初代天皇が崇神天皇だとするならば、その年代が歴史ある天皇家の発祥時期であると考えることもできます。
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