歴史年代ゴロ合わせ暗記 

歴史年代ゴロ合わせ暗記>国債

国債とは何なのか?


 国の収入といえば、ほとんどが税金ですね。この税金で国は、いろいろなものを造ったり、公務員などの給料を支払ったり、福祉などに役立てていたりするわけです。

 でも、そのお金が足りなくなったらどうするのか?

 そこで、発行されるのが「
国債」です。

 国がお金を必要としている時、国債という証券を発行して買ってもらうんですね。そのかわり、国債を買ってくれた人には利子をつけてお金を返します。

 主に国債には、税金の収入不足から、その赤字を埋めるために発行される「
赤字国債」と道路や建物などを造るために発行される「建設国債」があります。

 さらに国はいつかは、国債を買ってくれた人に利子をつけてお金を返すわけなんですが、その返すまでの期間も決まっていて1年以内の「
短期国債」、2〜4年の「中期国債」、5〜10年の「長期国債」、10年以上の「超長期国債」があります。日本では、10年物の長期国債が主流です。

 ちなみにアメリカでは、30年物の長期国債がもっとも主流となっています。

 さて、この国債は、株価や円高、景気にも影響を与えるといわれています。なぜなのでしょうか?

 ちょっとだけ、難しく複雑なお話になってきますが、なるべくわかりやすく説明していきますね。

 
国債と円高ドル安

 まず、国債と円高ドル安の関係についてですが、国債を大量に発行しすぎると円高ドル安になる傾向が強いといわれています。

 国債というのは、日本でもアメリカなどでも発行されています。たとえば、あなたが国債を買って儲けようと考えた場合、日本とアメリカどちらの国債を買いますか?そりゃ、より儲かる方の国債を買いますよね。

 いままでアメリカの国債を持っていた人でも日本の国債の方が儲かるとなれば、アメリカの国債を売ってでも日本の国債を手に入れようと考えます。アメリカの国債を売ると手元に残るのはドルですね。そのドルを円に替えて日本の国債を買う訳なので世の中には大量のドルが売られ、円が買われるといった流れが起こります。つまり、円高ドル安になるんですね。

 では、どのようなことが起こると日本の国債が儲かる国債となるのか?

 
国債の利回りとは?

 国債での儲けのことを利回りなんて言い方をします。この利回りが上がる状態とはどういう状態なのかというと国債を大量に発行した場合などに起こることがあります。

 国債も一般的な商品といっしょです。需要と供給の関係で成り立っています。商品の数よりも欲しいという人が多いと価格は上がり、逆に商品の数よりも欲しいという人が少ない、つまり売れ残りの状態となると価格は安くなっていきます。

 国債を国が大量に発行した場合には、商品(供給)が需要(欲しいという人)の数を上回ってしまいますので国債の価格は下がっていきます。

 例えば、100万円の国債を購入したとします。1年後には2%の利子がついて返ってくる国債です。この場合、1年後には102万円が手元に入ります。利回りは2%です。

 しかし、国債が大量に発行されるなどして価格が下がり、国債を本来100万円であった国債を90万円で購入した人がいるとします。この場合でも1年後にもらえる金額は102万円ですので12万円の儲け、つまり利回り13%となります。12万÷90万=0.1333ですからね。

 つまり、国債は大量に発行されるなどして価格が下がると利回りが上がる。言い換えれば儲かる!ってことです。こうなると、アメリカなどの国債よりも日本の国債の方が儲かりますので円高ドル安になる傾向が強くなっていきます。

 では、次に国債と株価について説明しますね。

 
国債と株価の関係

 実は、株価も国債が大量に発行されると株安に進むといわれています。

 国債が大量に発行されると円高ドル安になる傾向が強いというお話をしましたね。円高ドル安になると日本にとっては輸出にダメージが出ます。円の価値が高いので輸入は安く仕入れられますけど、輸出となると高くて買ってもらえないんですね。

 つまり、日本の輸出の会社などは大ダメージを受けるのです。ちなみに日本の大きな会社は輸出企業が多いですね。車とか家電とか・・・。こうして、国債が大量に発行されすぎると輸出企業がダメージを受け、株価が下落していきます。

 さらに、国債が大量に発行されると利回りが上がっていくというお話もしました。お金儲けを考えている人は、株を購入するより、儲かる国債を買った方がいいなってことで株が売られ、国債が買われることになればさらに株が売られ株安に進むわけです。

 
国債とゼロ金利政策

 しかし、景気が悪くなって税収入が減るから国は国債を発行して公共事業やら景気対策を打ち出さなければならないわけですよね。しかし、国債を発行しすぎると株安や円高になって逆に景気の足を引っ張ってしまう・・・。どうすればいいのでしょう?

 そこで、打ち出したのが1999年の
ゼロ金利政策です。この年、国債は通常の2倍以上も発行されました。普通なら供給が需要を上回ってしまうために国債の価格は下落。利回りは上がってしまいますね。

 しかし、日銀は短期金融市場において金利がゼロになるようにしたんですね。

 短期金融市場というのは、期間が1年未満のお金の貸し借りをする市場なんですが、ここに日銀は金利ゼロで大量のお金をぶち込んだんですね!銀行なんかは、金利ゼロでお金を必要なだけ借りられるわけですし、銀行からお金を借りる会社や個人も銀行から安い金利でお金を借りられるので景気は潤う可能性があります。

 さらにゼロ金利政策では、国債の利回りを上げないという狙いもあったんです。通常、生命保険の会社なんかは、銀行にお金を貸して利子で稼いだりもしています。しかし、銀行は「いや、日銀がお金いっぱい貸してくれたからいらないよっ」ってなちゃったんですね。すると、生命保険会社なんかは「しょうがないから、国債か株を買うしかないねっ」ってことになったんです。

 つまり、国債の供給が2倍以上にもなりながら需要も増えたためにうまくバランスをとることができたんですね。

 ただし、ゼロ金利政策では、思ったほどの景気の回復とはなりませんでした。銀行が安い金利でお金を貸すといっても企業などがお金を借りなかったんです。「お金を借りて新しく設備投資しても儲かる補償もないしなぁ。」といった状態だったんですね。

 さて、今回は国債の基本的な知識と株価、円高、景気との関係についてお話いたしました。国債を買って儲けてやろう!といった人に読んでもらっていた場合、誤解があると困りますので言っておきますが、あくまで傾向のお話です。国債が通常よりも多く発行されたからと言って必ず株価が下がるわけでも円高となるわけでもありません。もっと、複雑な人間の心理なんかの影響も多くありますので、そうなる傾向が強いといったお話ですので誤解のないようお願いしますっ!

国債と金融緩和の関係


国債はいくら発行しても大丈夫?