国債と金融緩和
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国債とは、国が発行する債権のことをいいます。
ん?いきなりよくわからんって感じですね。
では、なぜ国は国債とやらを発行するのか?まずは、そこから学んでいきましょう。
毎年3月末には国の予算が決まります。道路とか橋とか介護とか公務員の給料とかでどれくらいお金が必要か決めるんですね。でも、このお金ってどこから来るのでしょう?
そう!税金です。消費税やら所得税やらの税収で賄っているんですね。しかし、足りない場合どうしましょう?
そこで登場するのが国債なんですね。
わかりやすく言えば、国債とは「お金返すから貸して!」ってお願いして出す国の借用書みたいなもんです。
政府がこの国債を発行すると銀行や保険会社がこの国債を買い取ります。
例えば100万円で1年間に1%の利息が付く10年国債を買ったとしたら毎年1万円の利息がが貰えるんですね。そして10年後には100万円が戻ってくる!
この国債を主に銀行などが買い取っているんですね。では、銀行はどこからお金を集めているのか?
そう!みなさんの貯金ですね。
銀行は、我々の貯金の一部を国債などで運用して利益を出し、その利益で我々に貯金の利息を支払っているんです。
国債は「国の借金」である一方で国にお金を貸しているのは間接的には我々貯金をしている国民ですので「国民の資産」であるとも言われているのはそういうことです。
さて、ここまでが国債の一般的な解説となりますが、実際には、ここに「日本銀行」という銀行が登場します。お金をつくっている銀行ですね。
銀行が持っている国債を「なんなら、その国債、いい条件でうちで買い取るよ〜」と日本銀行が手を挙げました。これが金融緩和というヤツです!
はい!またちょっと難しくなってきましたね。
銀行が持っている国債を日本銀行が買い取って何のメリットがあるのか?
日本銀行は、自分たちでお金を刷れますね。つまり、銀行から国債を買い取るわけですが、どうやって支払うかというとお金を刷っちゃえばいいわけです。すると、どうなるか?世の中にお金が増えます。
銀行は、日本銀行に国債を売ったので手元にお金が入ってきます。そのお金で企業や個人ににお金を貸すので世の中が潤うという仕組みです。
でも!今度は、国が日本銀行に利息を払わなければならないですよね。確かに政府は日本銀行に対して利息を払わなければなりません。しかし、日本銀行の収益は政府に納めなければならない決まりになっているんです(日銀納付金)。つまり、政府は日本銀行に国債を買い取ってもらっている限り、実際には利息を支払う必要がないわけですね。
しかし、結局なんでこんなことやっているのか?
天災や不況、思いもよらない出来事などにより、国民が困っている時には政府は国民を助けなければなりません。国民が困っているわけですから税金を上げる訳にもいきません。そこで国債を発行するわけですね。しかし、その国債には利息が付きますから結構大変・・・。そこで登場するのが日本銀行。彼らはお札を刷るというウルトラCが行える上に利息も実質タダ!お金を刷って国債を買い取り、政府はそのお金で国民に給付などの処置をとり手助けをする。やがて、国民の生活が安定してきたら税金といった形で国にお金を納めてもらうというのが狙いです。
だったらガンガン国債発行した方がいいじゃん!ケチケチしてないでもっと国債発行しちゃえ!
と思う方もいるかと思いますが、それをやってしまうとインフレになってしまうんですね。世の中にお金が増えますからお金の価値が下がっちゃうんです。日銀がお金を刷りすぎると100円のジュースが200円出さないと買えないような状態になってしまう可能性もあるんですね。また、国債を発行しすぎると円高ドル安の傾向にもなりかねませんし、株価にも影響が出てしまうのでこれらに考慮しながら国債は発行しなければならないんですね。
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