第一次世界大戦 日本の利益
|
第一次世界大戦にて日本が獲得した利益は中国に対する利権の強化。まず、これが1つ目です。
日英同盟を理由に無理やり参戦し中国にあるドイツの中国基地を攻撃。21ヶ条の要求を中国に突き付け山東半島でのドイツの利権の継承や満州における日本の利権拡大を得ることに成功しました。
そして、もう1つが経済的な利益です。
第一次世界大戦の前に日本は日露戦争を経験しています。その時に日本は外国からの借金で戦っており、さらにはロシアに勝利したとはいえ賠償金は獲得できず・・・。つまり、第一次世界大戦が始まるまでの日本は債務国(外国からの借金がある国)でした。しかし、これが第一次世界大戦が終わったころには債権国(外国にお金を貸している国)に変わっています。
どういうことかというと・・・。
輸出量が激増したんです。
第一次世界大戦がはじまってから1年ほどは輸出が減少し、輸出主力の生糸や綿糸などの価格は暴落しています。世界中が混乱している状態ですからね。
しかし、第一次世界大戦ではヨーロッパが主戦場となっていますのでヨーロッパの企業が中国や東南アジアから撤退していったんですね。それにかわって日本の企業がアジア市場へ大量に製品を輸出するようになったんです。アジアへの供給を満たせるのが日本だけになっていたんですね。
また、アメリカへの生糸輸出量も激増、世界的な船舶不足によって日本の造船業や鋼鉄業が急成長。ドイツからの薬品や化学肥料も途絶えていたので化学工業も日本で勃興することになります。
これらの第一次世界大戦による経済的利益は不平等条約の改正があってこそですね。江戸幕府が突き付けられた不平等条約。これによって関税自主権が日本にはなかった訳ですが1911年に関税自主権が回復されています。それから3年後に第一次世界大戦が開戦されるわけですのでギリギリですね。
この関税を自由にかける権利が認められるのがもう少し遅かったら第一次世界大戦による日本の経済的利益は、もっともっと少ないものになっていたんでしょう。
しかし、これらはあくまで第一次世界大戦による好景気ですので1919年に大戦が終わると翌年から一気に輸出が激減してしまいます。当然、企業の業績も悪化。株価暴落と日本経済は戦後恐慌をむかえ、さらに1923年には関東大震災によって震災恐慌が発生していきます。
|
|
|