特定秘密保護法
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特定秘密保護法とは、2013年10月第二次安倍政権において閣議決定され、12月に公布。2014年12月に施行された法律です。
内容としては、特定秘密とされる安全保障に関する情報で@防衛A外交B特定有害活動(スパイ活動)の防止Cテロリズムの防止のうち特段の秘匿の必要性がある情報を漏らした者を罰するというものです。
では、特定秘密を漏らした者にはどのような罰則があるのか?
故意に漏らした場合は、懲役10年以下。過失の場合は2年以下の禁錮又は50万円以下の罰金。
また、特定秘密の提供を受け知得した者は、故意の場合、5年以下の懲役。過失で1年以下の禁錮。30万円以下の罰金となります。
では、特定秘密とは何なのか?
@防衛に関する事項(暗号とか武器の性能とか研究内容など)
A外交に関する事項(外国との交渉内容とか暗号など)
B特定有害活動の防止に関する事項(スパイ活動防止に関する情報や計画、暗号など)
Cテロリズム防止に関する事項(テロリズム防止に関する計画や情報、暗号など)
これらの特定秘密は有効期間は上限5年ですが更新が可能で通算30年まで特定秘密とすることが出来ます。また、特別の場合のみ内閣の承認を得て最長60年までは特定秘密とすることが可能です。
なぜ、そんな法律が必要なのか?政府は都合の悪い情報を隠そうとしている?
実は、かなり前から特定秘密保護に関する法律改正は必要だといわれていました。
しかし、延び延びとなり、2010年に尖閣諸島沖で中国の漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した際の映像がインターネット上に流出したことをきっかけとして秘密保護法制を早急に整備すべきと動き出したのです。
当時は、「中国の漁船と海上保安庁との衝突映像なんてネットに流出したっていいじゃん!むしろ、政府が隠そうとしているのは何か裏がありそう」といった意見やマスコミが大バッシングしていましたので特定秘密保護法に関しては、よいイメージはないかもしれません。
しかし、実際、以前の法律はおかしな点もあったことも事実なのです。
1980年に宮永スパイ事件というのがありました。宮永幸久という元陸上自衛隊の陸将補がソ連に日本の防衛庁が集めた中国のデータを渡していたという事件です。宮永はソ連にいいようにスパイとして操られていたわけですが、問題だったのが宮永の刑罰です。なんと懲役1年!
国家公務員法の守秘義務違反では最長で1年の懲役または50万円以下の罰金なんですね。
仮に宮永が渡していた情報が日本の国家安全に関する情報だとしても同様です。それでも、たった1年。
正直、日本の自衛隊の幹部が優秀で真面目なので情報が漏洩せずに済んでますけどね。スパイ活動すれば、それなりのお金が貰えるでしょうから「たった1年で出てこれるならイチかバチか!」ってやる人が出てこないのが驚きなくらいですよね。
ただし、例外があります。アメリカの情報です。
日本の情報は漏らしてもたった1年で出てこれますが、アメリカの情報を漏らしたらマズいことになります。
日米安全保障条約に基づく刑事特別法が適用され最高で懲役10年なんです。
自分の国の情報漏らして1年。アメリカの情報は漏らしたら10年・・・。完全におかしいわけです。
アメリカの軍隊ならスパイ罪は死刑まである場合があります。日本は1年って少なすぎる・・・。
ですから、法改正は当然といえば当然なんですね。
なお、特定秘密保護法の施行から5年経って特定秘密を保有したことない期間は対象から外されました。これまでの行政機関70のうち検察庁や復興庁など42の機関は除外され、対象として残るのは外務省や警察庁などの28の期間となります。
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