歴史年代ゴロ合わせ暗記 

歴史年代ゴロ合わせ暗記>戦後、天皇制が存続された理由

戦後、天皇はなぜ裁かれなかったのか?


太平洋戦争後、なぜ敗戦国の日本では天皇制が継続されたのか?

戦後、ソ連やイギリスは天皇への厳罰を主張していましたしアメリカも世論としては天皇への処罰を求める声が多くありましたが、実際には東京裁判でも起訴されずに天皇制は存続されました。なぜなのでしょうか?

実は、アメリカは太平洋戦争開戦の初期から天皇制に関する議論を始めておりました。当初は、天皇制に対して批判的な意見が多かったのですが、1943年になると元駐日大使のジョセフ・グルーなどが「天皇は日本に安定をもたらす唯一の存在」と主張。それらの意見が一定の支持を得るようになっていきます。しかし、それでもアメリカの世論としては大半がアメリカ勝利の暁には天皇の処罰を求めるといった意見が多数でした。実際に1945年6月にギャラップ社が実施した調査では60%ほどが天皇処罰に賛成。そのうち、36%が死罪を望むとの意見でした。

ですが、アメリカはそういった世論もありながらも戦後、天皇制の継続、天皇の不起訴を決めます。

なぜなのか?

まず、不起訴とした真意としては、戦後の日本の統治の問題です。仮に天皇を処罰した場合、日本国民の激しい憎悪がアメリカに向けられることが想定されました。処刑などになれば各地で蜂起が起こる可能性もありますし、日本人の反米意識は長いこと続くことが予測できます。それよりも天皇存続のまま、天皇を政治権力から切り離し、GHQの制御下で統治した方がよっぽど日本をうまく占領統治することが出来るわけですね。

戦後、アメリカ参謀本部はマッカーサーに天皇に訴追の意見を求めます。その時のマッカーサーの答えは不起訴が妥当との意見でした。マッカーサーは日本占領政策の責任者として安定した統治のため、また天皇との直接会談などの印象からも不起訴が妥当と判断したわけです。