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汜水関の戦い・虎牢関の戦い

　都にて横暴を振るう董卓。曹操は董卓暗殺を試みるも失敗。しかし、国に帰った曹操は、打倒董卓を旗印に各地の豪雄たちに挙兵を呼びかけるのでした。

　その呼びかけに答えたのが袁紹、公孫サン、孫堅、袁術、さらには劉備たちでした。190年1月彼らは、いっせいに挙兵。董卓のいる洛陽を目指し進軍します。

　この反董卓軍の数は20万。総大将には袁紹。そして軍師を曹操が努めます。

　反董卓軍が洛陽の手前の汜水関あたりまで進軍すると董卓は華雄という武将に5万の兵を持たせ防御にあたらせます。

　反董卓軍は程普、黄蓋、韓当、祖茂、そして孫堅。対する董卓軍は華雄、胡軫、李粛、趙シンらです。

　孫堅軍は緒戦で華雄の副将である胡軫を討ち取るという良い出だし！

　ですが、孫堅軍はここで袁術の裏切りにあってしまうのです。孫堅軍に兵糧が到着しない・・・。腹が減っては戦はできぬ。なんていいますが、兵糧が届かないのは致命的！その兵糧の補給を任されていたのは袁術。

　袁術は、孫堅を「こいつは、後々にやっかいな相手になるな！」と感じ孫堅の邪魔をしていたのでした。

　空腹の中、さすがの孫堅軍も士気が上がりません。結局、孫堅軍は汜水関を抜けることは出来ず、そのまま退却となりました。孫堅は、この袁術への怒りを諸侯らが集まる席でぶちまけますが、袁術は部下のやったことだと言い張り、その者の首をはねてまでしらをきりとうします。

　そうした中、董卓は洛陽の都を捨て長安への遷都を決意します。洛陽より長安の方が要害に囲まれており、守りに強かったためです。

　董卓は、出ていく洛陽の都にて歴代皇帝らの墓を荒らし金銀財宝を奪い、財産のあるものを殺し、その財産を奪い取ると都に火を放ちました。洛陽の住民も長安に移動させるのですが、それが徒歩・・・。ですから、飢えや疲労で死ぬものも少なくありませんでしたし、足手まといになるような者は董卓の部下に殺されます。

　反董卓軍も長安へ移動する董卓を黙って見ているわけではありません。曹操は董卓を追いかけますが、董卓軍の反撃にあい曹操自身も流れ矢にて負傷するという始末。反董卓軍の勢いもこの辺りで止まってしまいます。

　一方、焼け跡だけとなった洛陽の修復にあたっていた孫堅。ふと、古井戸から五色の光が発せられているのを見つけます。そこにあったのが伝国の玉璽でした。これは、秦の時代より伝えられた皇帝のしるしで4寸4方の隅に「天より命を受け、としながくして長く栄えん」といった意味の8文字が書かれており、紐をかけるところには5匹の龍が描かれたものですが、これを持つものは天下をとれるといわれた宝です。

　思いもよらぬところから天下を治められるという玉璽を手に入れた孫堅は、すぐさま領地にもどるのでした。

　

三国志演義では、この一連の董卓軍と反董卓軍の戦いの中で汜水関の戦いと虎牢関の戦いが書かれています。

　「汜水関の戦い」では関羽の華々しい活躍が描かれている場面です。退却した孫堅の代わりに反董卓軍は、次々に董卓軍の華雄に武将を送り込みますが全く歯が立たず討ち取られていきます。そんな中、関羽が「私にやらせてくれ」と志願。まったく無名であった関羽のこの申し出に皆が不快感を露骨に示しますが、曹操が「やらせるだけやらせればいいのでは？」と提案。そして、曹操が暖かい酒を関羽に差し出すと、関羽は「後でいただきます」と辞退し駆け出していきます。その後、瞬く間に華雄の首をとってくるとまだ暖かい酒を呷るのでした。それまでは、まったくの無名であった劉備らでしたが、これによって、彼らの名は諸侯の間に知れ渡ることになるのです。

また、三国志演義では「虎牢関の戦い」も描かれています。武将、華雄を討ち取り見事、名を上げた劉備たち。その彼らの前に立ちはだかるのが最強の武将、呂布でした。虎牢関の戦いでは、この呂布が赤兎馬にまたがり反董卓軍を撃破していきます。公孫サンも呂布の手によって殺されかけるほど。その呂布に張飛が戦いを挑みます。しかし、力は互角。そこで関羽と劉備も加勢し、見事呂布を退却させたという話です。

三国志演義では序盤の劉備、関羽、張飛が大活躍するシーンですね。しかし、この名シーン汜水関の戦いと虎牢関の戦いは正史三国志には書かれておらず、いずれも架空の戦いです。

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