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象牙の取引と日本


 日本では古くから印鑑などで象牙が使われてきました。三味線のバチや琴の爪などもプラスチック製品と象牙で出来た者とでは音が違うということで象牙で出来たものが重宝されております。

 しかし、象牙は国際取引をワシントン条約で規制されております。1989年にワシントン条約の「付属書1」に掲載され象牙の国際取引が禁止されました。しかし、アフリカ南部のジンバブエ、ボツワナ、ナミビア、南アフリカでは1997〜2000年に象の生息数が増加に転じたことにより「付属書2」に移り、自然死や有害動物として駆除された象の象牙に限り1999年に日本に、2009年に日本と中国に輸出されました。しかし、それ以降、象牙の取引は認められておりません。

 ですが、日本はケニアの政府代表は「日本の象牙市場が違法取引に関わっていることは間違いない」と批判しています。

 どういうことでしょう?



 そもそも世界の多くの国では国内の象牙取引を禁止、もしくは禁止する予定となっています。象牙の最大市場であった中国ですら2018年に国内の製造、取引は完全に中止(狭い例外は規定)。国内市場の閉鎖を決めているんですね。

 しかし、日本では国内取引は合法となっています。国際取引が禁止された1989年より前に輸入された象牙、もしくは1999年、2009年の特例で輸入された象牙であれば、象牙1本まるまるであれば個人でも売買でき、商品化されたものは登録事業者ならば売買できます。

 日本には象牙の在庫が他国よりも多くあるんですね。さらに国内に市場があるので中国といった国内取引を禁止した国では日本から違法に持ち出す人も多くいるんです。自国では売り買い出来ないので日本で買って持ち帰っちゃうんです。

 実際に年間2万頭以上の象が違法に殺されているといわれています。違法に殺され手に入れられた象牙は日本を通して中国などに多く売られていると憶測できるんですね。大規模な違法輸出や輸入はみつかっていませんが、2011年以降に日本から中国に持ち出された象牙製品は2トン以上押収されています。

 日本も近い将来、世界に足並みを揃え、象牙の取引禁止となる日も近いのではないでしょうか?