夫婦別性問題
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1947年に定められた民法により、夫婦は結婚したら夫、または妻の氏(姓、名字)にすると定められています。ですから、現在は、必ず夫か妻、どちらかの氏を名乗っているわけですね。
この夫婦同姓に対して、結婚後もそれぞれの姓を名乗るものを「夫婦別性」。また、夫婦同姓か夫婦別性を選択できるものを「選択的夫婦別性」といいコレが議論されてきました。
この議論は、1996年から始まり、法務省の諮問機関の法制審査会は、選択的夫婦別性を導入する意見を出しますが、法務省の民法改正法案は国会に提出されずに終わっています。
2015年には夫婦別性を選べない民法は憲法13条の個人の尊重、14条の法の下の平等、24条の男女平等に違反するとして訴えますが、最高裁判所は「合憲」と判断しています。
その後も何度も夫婦別性問題に対して裁判は行われてきましたが、現在のところ裁判官の判断は「合憲」という結果です。
では、そもそもなぜ夫婦別性がいいのか?
もっとも多いのが仕事上の問題です。せっかく、名前を覚えてもらったのに名字が変わってしまうと不都合が出てくることもあります。研究者の人たちでは論文などで評価が高かったとしても名字が変わると別人と思われてしまうこともあります。
名字の変更にともなうわずらわしさもあります。パスポート、免許証、銀行口座、クレジットカード、最近ではポイントカードも名前が違うと使えないとかネットショッピングなども変更が必要な場合があります。
また、愛着の深い名字が変わることでアイデンティティ―を失ったような気持ちになる人もいます。
一方、現在では、旧姓をそのまま使ってもいいという企業も増えており、(2013年時点で上場企業の65%が旧姓を認めている)仕事上の名字の変更の問題は改善されつつあるようです。
結婚しても名字を変えたくない人はどうしているのか?
名字を変えたくないという人の中には「事実婚」を選ぶ人や子供が生まれる時、いったん結婚し、夫婦間の子供としてから、離婚届を出す夫婦すらいます。
ただし、これだと税金や医療費、遺産相続などの本来、夫婦であれば認められるはずの優遇は受けることができません。また、子供は夫婦どちらかしか親権者としては認められませんし、高齢になって相手が重い病気になったりして手術などの同意や決断に迫られた場合にも事実婚では権利がなかったりもします。
では、なぜ裁判なの?
本来は、国会で議論した方が手っ取り早い気がしますね。しかし、現状としては個人や団体が裁判で訴えている・・・。なぜでしょう?
裁判をすることで「夫婦別性問題」のことを広く知ってもらうことも狙いのひとつなのです。さらに、国会での議論が進まないので裁判で訴え、国会に働きかけているんです。
現在は、結婚の形も人それぞれ、多様化しています。そんな中で夫婦同姓の制度は時代遅れなのかもしれません。
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