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罪と罰(ドストエフスキー)


 ドストエフスキーの『
罪と罰』。タイトルだけは聞いたことあるけど読んだことはないという人が殆どではないでしょうか?

 ドストエフスキーという人はロシアの作家ですか『罪と罰』はロシア文学なんですね。それなんで名前が長い!ロジオン・ロマーヌイチ・ラスコリニコフというのが主人公ですが、う〜ん長い。しかも、愛称がロージャ。場面によって愛称で書かれていたり、名で書かれていたりするのでその辺りがとっつき難いのです。

 しかし、最近では非常に読みやすく編集している本が沢山あります。しかも!この罪と罰という作品。実はかなり面白い!

 時間のある方は、ぜひ読んでいただきたい1冊ですのでどういったお話なのか?簡単にあらすじをお話いたしますね。

 
罪と罰(あらすじ)

 時代は19世紀のロシア、サンクトペテルブルク。主人公のラスコリニコフ(ロージャ)という青年は貧困の為に大学を中退。貧しい暮らしを送っていました。彼は大学を辞める前にひとつの論文を書いていたのですが、それは「天才は法律を犯しても問題ない」といった趣旨の物。世界に新しい思想や革命を起こす独創的な人間は新たな世界を作る為なら人を殺してもいいし、新たな法律を作る権利もあると考えていたのです。

 自身を天才であると信じてはいるもののお金がない。今日の食い物にも困る始末。ついには、いつもの質屋の老婆に大切な父親の形見の時計までも持っていきますが、老婆はかなり安い価格での買取を要求。しかし、売らなければどうにもならない・・・。

 「クソばばぁ・・・」

 天才である俺はあのババァを殺したところで問題ない!金は有能なものにこそ使われるべき!そんな考えを持つようになります。

 そんな時、酒を呑んでいる席である男と出会います。男は元役人であるもののクビになり娘を娼婦にまでさせ、その金で酒を呑むといった日々。その娼婦になった娘の名前がソーニャ。ひどい奴がいるもんだと感じますが、主人公の青年の妹が結婚するという報告を受けます。おそらくは俺の学費援助のために好きでもない男と結婚するのだろう。あの男と同じ俺は何のかわりもないじゃないか・・・。

 ”金さえあれば”そう考える主人公。金貸しの老婆には妹がおりますが、その妹が留守にする時間を街で聞き、今こそ、強欲な金貸しババァを殺し金品を盗むチャンスだといよいよ実行に移します。

 凶器は、非力な自分でも間違いなく殺せる斧。斧を懐に忍ばせ老婆の元へ向かい、一撃!金品を奪い、さぁ、逃げるぞという時に何と妹が帰ってきてしまいます。仕方なしに妹も殺害しますが、その日を境に罪の意識や幻覚に苦しむことになるのです。

 いつかは警察の手が自分のところにもやってくる。捕まるのを恐れ、盗んだ金品を捨ててしまいますが、いったい俺は何の為に人を殺したのか?

 警察のキレ者、ポルフィーリも自分を疑い出している。

 そんな時、街で大騒ぎしている中に入っていくと酒場で出会った男が馬車でひかれている現場を目にします。娘を娼婦にまでしたあの男だ。その男を自宅に運ぶとそこで娼婦のソーニャと初めて出会います。母親からの送金の金を持っていた主人公は、その金を男の家族にすべて与えます。

 事件を追うポルフィーリは主人公が書いた論文を目にし、いよいよ疑いを深めていますが、証拠がないと主人公は何とか乗り切る。

 そこにスビドリガイロフという主人公の妹を以前、雇っていたという人物が現れます。彼曰く、妹とは恋仲だったが妻にそのことがバレて妻は自分の親戚と妹さんを無理やりくっつけさせたと・・・。自分は妹を今でも愛しているから娘の結婚を潰しましょうと。そして、妻は最近亡くなったので妹と合わせてくれと。

 コイツはヤバい奴だと感じる主人公。しかし、妹の結婚相手は嫌な奴でそれに妹も気がつき、結局妹の結婚話は破断。

 主人公は再びポルフィーリと対決し追いつめられますが、なんと事件現場にいたペンキ屋が自分が犯人だと自白してしまいます。

 助かったと感じながらも罪の意識と心身疲弊でついにドーニャに自分の罪を打ち明ける主人公。しかし、それを聞いていたのがヤバい男スビドリガイロフ。ソーニャの部屋の隣の部屋を借りており、全部盗み聞ぎしていたんです。

 自首し罪を償うようにすすめるソーニャ。金は用意するからあなたの家族と私で外国に逃げましょうと持ち掛けるスビドリガイロフ。そして、主人公の犯行を確信しているポルフィーリも刑を軽くしてやるから自主しろと伝えます。

 悩んだ挙句に主人公は、自首を選びシベリア流刑8年となります。ソーニャはシベリアへ移り住み壁の向こうから主人公を見守りますが、それを知った主人公はソーニャへの愛を改めて感じることになるのでした。

 
罪と罰〜感想〜

 自分を天才だと信じており、天才は殺人を犯しても罪にならないという考えを持っている主人公のラスコリニコフ。それを追うポルフィーリ。漫画好きなら『デス・ノート』を思い起こさせるのではないでしょうか?

 小説はちょっと読みにくいという方は漫画版の『罪と罰』がおすすめです。非常に読みやすいですし、話の内容が面白いので一気に読んでしまうことでしょう。

 心理戦や殺人を犯してしまったことに対しての心の葛藤。そして愛。

 若いころには、自分を普通ではない。ヒーローや天才だと信じてしまいたいもの・・・。そういった経験を持つ読者には、ラスコリニコフを自分と照らし合わせてしまうかもしれません。

 世界的に有名な作品ですので時間がある時にでもぜひ読んでほしい一冊です。