天皇家に苗字がない理由
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天皇陛下には、なぜ苗字がないのか?疑問に思った方もいるのではないでしょうか?
現在の天皇、今上天皇の名前は「徳仁(なるひと)」ですが、姓は存在しません。「大正」天皇や「昭和」天皇という呼称は崩御した後に送られる諡号ですので現在の天皇は今上天皇、または単に「陛下」と呼ばれることが多いですね。
しかし、秋篠宮さまや三笠宮さまといった皇族には姓が存在するではないか?と思われるでしょうが、これは天皇から男性皇族に与えられる「宮号」といわれる称号であって苗字ではないんです。付け足していえば、宮号は、親王個人の呼び名であるのでその家族は対象となりません。ですから、秋篠宮親王殿下の第2女子の佳子さまは、秋篠宮佳子さまとは呼ばないんですね。
では、男性皇族と結婚した場合の女性民間人はどうなるのか?
その場合も姓はなくなります。今上天皇と結婚された雅子さまも結婚前は小和田雅子さんでしたが、皇室の一員となり小和田の姓はなくなりました。
では、なぜ天皇や皇族には苗字がないのか?
天皇家に苗字がない理由としては、大きく2つ考えられています。
ひとつが日本では王朝交代が長期間起こらなかったためといわれています。
例えば中国などでは、唐の時代の「李氏」は、隋の「楊氏」に滅ぼされていますね。当然、王様の血筋が変わっている訳です。前の王朝とは区別する為にも普通は家名が必要なんです。ところが、日本の場合は、天皇が基本的にはひとりであり、複数並び立つ状態や入れ替わりがなかったために不要であったといわれます。
また、天皇は臣下に苗字を与える立場であったために苗字がないともいわれています。
ヤマト朝廷時代では、当時、大王と呼ばれた天皇が中央貴族や地方豪族に対し、国家への貢献度や政治上の地位に応じて与えていたのが氏姓制度でした。つまり、当時では、天皇は氏姓を与えていた立場であり、その与える立場の人間が氏姓をもっているのはおかしかったわけですね。この名残が現在も残り天皇は現在においても苗字がないと考えられています。
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