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タックスヘイブン

 
 タックスヘイブンという言葉を聞いたことありますか?タックスは税金という意味ですね。では、ヘイブンは?ん?天国?実は、ヘブン(HEAVEN)ではなくヘイブン(HEVEN)。つまり聖域といった意味合いでこの場合は用いられています。

 
日本語で厳密にいうと租税回避地。まぁ、税金を納めなくてもいい土地です。

 そんな所あるの?実は結構あります。

 イギリスの領土である島などが多いです。これは、昔、イギリス国王が植民地に課税免除の特権を与えていました。そうすることで、そこの土地が発展します。その地域と特権が現在も残っているのです。

 このタックスヘイブンである地域を悪用して税金を納めていない人々がおり問題となっています。

 たとえば、イギリスで会社を経営している大金持ちがいるとします。この人は、このまま稼いだお金を申告すればイギリスで多額の税金を払わなければならないわけです。そこでタックスヘイブンの地域にペーパーカンパニー、つまり書類だけで実態のない会社をつくります。そのペーパーカンパニーに仕事を依頼するわけです。

 例えば、イギリスの会社で1億円の利益が出たとしたら1億円でタックスヘイブンにあるペーパーカンパニーに仕事の依頼をするのです。すると、イギリスの会社での儲けはゼロ。タックスヘイブンのペーパーカンパニーは儲けが1億円ということになりますね。ペーパーカンパニーはタックスヘイブンに会社があるわけですから儲けた1億円に対しての税金を納めなくて済むという仕組みです。



 このタックスヘイブンで本来納められるはずだった税金の額はおよそ6千億ドルと言われています。日本円で65兆円とか68兆円とかです。

 でも、なんでバレたのか?タックスヘイブンで税逃れをしている人たちって、かなり慎重にバレないようにやっているんですけどね。

 これには国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)という組織が関係しています。

 各国のジャーナリストたちが手を組んでタックスヘイブンで税金逃れをしている人たちを追及しようと試みたんですね。

 イギリスのBBCとかアメリカのワシントンポスト、日本でも朝日新聞など117ヵ国600人以上どのジャーナリストが参加しています。2016年、彼らに匿名で送られてきたのがパナマにある法律事務所から流出したパナマ文書。これにより多くの著名人の脱税疑惑が浮き彫りになり、ニュースや新聞で大騒ぎになりました。

 そして、その後もICIJは調査を進め2021年にはパンドラ文書を公開。再び多くの著名人の名が上がり大きな話題となりました。

 これを受けて世界中の国々は法人税率を最低15%にしようと約束をしました。そうすれば、極端に安い税率の国がなくなるので脱税がしにくくなるわけです。

 今後は、多くの国で法人税率は15%以上となりますのでタックスヘイブンを使い脱税するということは少なくなってくるでしょう。