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東京佐川急便事件

 
 平成4年(1992)2月24日、東京地検特捜部は東京佐川急便の渡邊広康前社長ら4人を特別背任容疑で逮捕しました。暴力団など非合法組織に数千億円ものお金が流れたとみられ、疑惑の追及の過程で自民党の金丸信副総裁にも5億円のお金が渡っていたことが判明します。

 この事件の背景には「皇民党事件」というのがあります。

 
皇民党事件

 竹下登という政治家が指定暴力団体稲川会系の右翼団体である日本皇民党から「ほめ殺し」という嫌がらせを受けていました。ほめ殺しというのは、ちょっとわかりずらいかもしれませんね。普通に、「あいつはダメだ」とか「政治家として失格だ」って言ってしまうと警察に怒られちゃいますね。だから、街頭宣伝なんかで「あいつは、金を稼ぐとがうまいから政治家に向いてるね」とか「あいつほど政治家に向いてる人はいませんよ。人をだますのがうまいから」みたいな、思いっきり貶しているんだけれども言い逃れができるような言い方で嫌がらせをするんですね。

 恩義のある田中角栄を裏切って経世会をつくったということで竹下登は日本皇民党からこのほめ殺し攻撃をうけていたんです。これを竹下登は、金丸信に相談。金丸は東京佐川急便の渡邊社長に暴力団稲川会の会長との仲介を依頼。竹下が田中邸を訪れて謝罪するという約束で事件は沈静化します。

 その後、東京佐川急便は稲川会系と関係のある会社におよそ4395億円もの融資や債務保証を行います。そして、1992年2月に東京地検特捜部は渡邊会長らを会社に952億円もの損害を与えたとして特別背任容疑で逮捕したんですね。

 
金丸信の失脚

 この東京佐川急便事件の追及の過程で自民党の金丸信に5億円のお金が渡っていることが発覚。事情聴取のために東京地検特捜部への出頭を求められますが、金丸氏はこれを拒否。あっさりと政治資金規正法違反を認める上申書を提出。その為、検察は取り調べもせず当時の政治資金規正法の最高刑罰金わずか20万円で決着してしまいました。

 しかし、これで国民が納得するはずもなく、結局、金丸氏は10月に衆議院議員を辞職。翌年には脱税容疑で自宅に家宅捜索が入り数十億円もの不正蓄財が発覚。金丸氏は逮捕されます。

 東京佐川急便からは政治献金やパーティ券の購入など多数の政治家が佐川急便からのお金を受け取っていたとされますが、こちらは真相が解明されず。しかし、国民の政治不信を大きく煽る事件となり、また、政界のドンといわれた金丸氏の失脚により政界も大きく変貌してくとことなります。