日銀と政府の関係
|
平成10年4月に施行された日銀法改正により日本銀行は「独立性」と「透明性」が明確化されました。
「えっ?でも、日銀って政府とつながりがあるような気がするんだけど?本当に独立しているの?」
という方も多いでしょう。この日銀の独立性という部分、実は結構曖昧な部分も多いので少し学んでいきましょう。
まず、日本銀行は日本銀行法に基づいて設置された許認可法人(大臣の許可が必要な法人)です。
日銀の資本金は1億円で政府がその55%を出資しています。日銀は上場していますので(コード:8301)つまり、株式の55%を政府が握っているということですね。日銀の大株主が政府なわけです。(ただし、普通の会社のように株主総会や株主の議決権はありません。)
さらに日銀総裁は衆参両院の国会同意により内閣が任命。副総裁2名、審議委員6名も国会同意を得て内閣が任命します。
また、日本銀行が業務運営を行う上での経費の予算についても政府の許可が必要ですし、日銀は6ヵ月に1回程度国会に「金融政策に関する報告書」の提出が必要で、国会から求められれば業務、財産の状況等の説明の為に出席しなければなりません。年に1回の業務概況書の作成、公表も義務付けられています。
「う〜ん。やっぱり政府から独立しているとはいえないよね〜。」
って感じですよね。
現に政府は2%の物価上昇率を目標に掲げて、その指示通りに日銀が金融緩和などを行っていますからね。
つまり、現在は、物価上昇率などの「目標」に関しては政府が決めています。その目標に対しての手段に関しては、日銀が独立性をもって運営をしているというところでしょう。
日銀のホームページにも「中央銀行の独立性を尊重しながら政府との意思疎通を制度的に確保」と書かれています。
まぁ、日銀は国民すべての生活にもかかわる重要な決定を行う機関ですからね。完全独立、少数ですべてを決定するというのも不安です。政府との連携も必要です。
しかし、日銀法には、どこからどこまでが日銀に決定権があるのか?など明確になっていないんですね。ですから、色々解釈がとられ日銀と政府の関係性については度々議論になります。総裁が変わるとその辺の解釈が再び変化してしまう可能性もありますので一部では日銀法の再度改正なども求められているようです。
|
|
|