日韓合併
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日本は日露戦争中から朝鮮半島を日本の勢力下に置くことを目指していました。日露戦争勃発直後には、朝鮮半島での日本軍の行動を自由にさせるために日韓議定書を締結させ、第一次日韓協約を結んで日本が推奨する人物を韓国政府の財政、外交顧問とさせます。この時に財政顧問となったのは目賀田種太郎であり、外交顧問にはスティーブンスというアメリカ人でした。
1905年にはポーツマス条約によってロシアは韓国に対する日本の指導、監督権を認め、アメリカとも桂・タフト条約、イギリスとも第二次日英同盟を結び日本による韓国支配を各国の承認を得て獲得します。
そして、翌年には伊藤博文が特命全権大使として韓国に向かい、韓国から外交権を奪い、首都漢城には統監府という日本の組織を置いて外交をこれに委ねるとさせたのでした。
当時の伊藤博文の考えは、韓国人は日本人に決して劣っているわけではなく、日本のように西洋化すれば近代化することができ、今のような状態になっているのは政治が悪いのであって、まずは教育に力を注ぎ、殖産興業に力を入れれば世界の文明国の中に入ることが出来ると考えていたといわれています。
しかし、当然のことながら多くの韓国人からは反感の声が上がります。
韓国の皇帝であった高宗は、抗日運動に密かに支援を行い、1907年にはバーグの万国平和会議に密使を送って日本による不当支配を訴えました。しかし、アメリカやイギリスは事実上、日本の韓国支配を条約等で容認している形なので密使の要求が通ることはなく、逆にそれを知った伊藤博文は怒り、高宗を退位させ、その息子の純宗に跡を継がせ、第三次日韓協約を突き付けました。これによって、韓国は日本に内政権も奪われ、さらには軍隊も解散させられてしまいます。
韓国では、国家の独立を回復させようと義兵運動が盛んになりますが、そんな中で「日本と合併した方がいいのでは？」という声も上がってきます。
中心になったのは、李容九（りようきゅう）という人でした。
1904年には、日本に亡命していたソウヘイシュンという人物が帰国。新日団体である一進会を創設すると李容九が会長となります。そして、『国民新報』を発行。韓日合邦運動を行いますが、そんな中、一進会の会員は１４万人にまで膨れ上がるのです。１４万人というと当時の義兵に匹敵する数ですから、結構な人数が日本と一緒にやっていこうという考えに同調していたんですね。
ただ〜し！
李容九が求めたものは、「このままでは韓国は他国の植民地となってしまうから、日本と対等合併し、日本を盟主としてアジア大国家を創設、あるいは韓国人が近代化に成功し将来的に独立を目指そう」というもの。
1909年には伊藤博文に対して韓日合邦の提案もしています。
しかし、伊藤の答えは「NO」。李容九は「だったら伊藤の傀儡である内閣を倒して、その責任を伊藤に負わせる形で今の地位から引きずり降ろそう」と倒閣運動を開始します。
伊藤博文も韓国支配が自分の思うように進まない現状に嫌気がさしたのか統監を辞任。日本では、小村寿太郎外務大臣は桂に対して韓国併合を進言。伊藤が帰国すると説得にあたり、1910年に日本と韓国の間で日韓併合条約は結ばれ韓国皇帝は天皇に永久的に統治権を譲るとして、完全に韓国は日本の植民地となります。
李容九が思い描いた日本と韓国との合併ではなく、失望した彼はこの２年後に亡くなりました。
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