北朝鮮のミサイル実験
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近年、北朝鮮からのミサイル発射のニュースをよく耳にしますね。
それもそのはず。北朝鮮は金正日時代にはミサイル発射実験を16回行っていますが、金正恩政権に変わり2016年、2017年だけでも40回。2022年までに94回ものミサイル発射実験を行っています。
その度にニュースではICBMやIRBMなどといった専門用語も出てきますが、それらはどういったミサイルなのか?今一度確認してみましょう。
ミサイルの種類と射程距離 |
ICBM |
大陸間弾道ミサイル |
射程距離約5500km以上 |
IRBM |
中距離弾道ミサイル |
射的距離約3000〜5500km程度 |
SRBM |
短距離弾道ミサイル |
射的距離約1000km未満のもの |
SLBM |
潜水艦発射弾道弾 |
射程距離によらず潜水艦から発射されたもの |
ALBM |
空中発射弾道弾 |
射程距離によらず航空機から発射されたもの |
IRBM(中距離弾道ミサイル)の射的距離はおよそ3000〜5000km程度。北朝鮮から日本までの距離は1000km程度ですので余裕で届きますね。しかし、北朝鮮からアメリカまでの距離は10000km程度です。ということは、大陸間弾道ミサイルでも届かないのか?実は、そんなことはなく北朝鮮は射的距離1万km以上のミサイルも保有しています。
北朝鮮が保有するミサイル |
ノドン |
射程距離1300kmほど |
ムスダン |
射的距離2500〜4000kmほど |
テポドン2 |
射的距離6000〜1万kmほど |
テポドン2派生型 |
射程距離1万km以上 |
火星12 |
射的距離4500〜5000kmほど |
火星14 |
射的距離5500km以上 |
火星15 |
射的距離1万km以上 |
では、もし北朝鮮から発射されたミサイルが日本を標的としたものだったら日本はどのように対処することになるのか?
まず、北朝鮮からミサイルが発射されるとJADGE(ジャッジ)と呼ばれる自動警戒官制システムが全国各地のレーダー(FPS-3改、FPS‐5、FPS-7)からとらえた情報を集約、処理し着弾点、着弾時刻などを計算します。
(FPS-3改)
このミサイルを迎撃するのが海上自衛隊のイージス艦によるSM-3という迎撃ミサイルです。
(SM-3)
もし、このSM-3ブロック1Aで迎撃できなかった場合は航空自衛隊のPAC‐3追撃システムとなります。
(PAC-3)
しかし、北朝鮮のミサイル技術も上がっており現在ではマッハ10のスピードで飛んでくるミサイルもあるほどです。このマッハ10のミサイルはスピードもさることながら着弾地点の予測も難しく迎撃するのが非常に難しいといわれています。
その為、現在日本国内では、追撃ミサイルだけではなく、ミサイルが発射される前に発射拠点や司令部を攻撃する「敵基地攻撃能力」(領域内阻止能力)を持つべきではないか?との意見も出ています。
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