歴史年代ゴロ合わせ暗記  

歴史年代ゴロ合わせ暗記朝鮮の歴史>北朝鮮の経済

 

北朝鮮は、なぜ経済的に貧しくなってしまったのか?


 今やサムスン電子やヒュンダイ自動車など世界的な企業を抱え経済的にも裕福になった韓国に対して北朝鮮はなぜ食糧不足などがニュースで流れるほど経済的に貧しくなってしまったのでしょうか?

 まずひとつ目に社会主義国という国の体制によります。かつてのソ連や中国も社会主義国でしたね。社会主義国というのは、簡単にいってしまえば、貧富の差のない平等な世の中を作り上げましょうっていう目標を掲げた国家。

 ですが、これを達成するのは非常に難しいのです。社会主義国での農民はサラリーマンと一緒になります。決まられて時間になれば帰るし、決められた休日にはしっかり休む。ですが、農業などは自然が相手ですからね。急に天候が荒れたり、大雪に見舞われたりしたら本来は対応しなければならないんですが、社会主義では、農作物が自分のお金に直接変わるわけではないので無理してまでみんな頑張んなくなっちゃうんです。まぁ、人間ですからね。仕方ないですね。

 また、上から「こうしなさい!」と命令が下りてきたら、間違っていようがどうしようが基本的にはみんな素直にしたがっちゃいます。

 北朝鮮では、「主体農法」という農法を行います。食料の自給自足を目指したんですが、これが失敗してしまうんですね。

 北朝鮮は山が多くて耕地に適した国土は少ないんです。大体国土の20%くらいといわれています。だったら山を切り開いで段々畑にしてしまえばいいじゃないか!ということになります。そこで植えるのは生産量が多いという理由でデントコーンといわれるあまりおいしくないトウモロコシでした。

 これは1970年の初めから全国で一斉に行われます。

 ですが、山を切り開くということは、もちろん木をバッサリ切っていってしまうんですね。さらに土留めのない田畑を造ってしまいます。もう、ハゲ山です。

 しかも、段々畑にはトウモロコシは向いていないんです。日本の段々畑では土壌を保持する多年草。お茶やミカンなんかが植えられます。しかし、トウモロコシのような一年草では土壌を保持する力はないんですね。

 これによって、少し雨が降っただけでも畑は崩壊。さらには、山の土砂が川に流れ込んで洪水が多発。洪水の影響で大量の土砂が海に流れ込み海藻が全滅。魚は逃げ漁業にまで影響を及ぼしていきます。

 また、大量の化学肥料を使ったり、高密度の田植えにより土壌は消耗。やがて、その化学肥料もソ連からの援助が途絶えると農地は砂漠化してしまいました。

 もちろん、「こんな農業の仕方してたらダメだよ〜」と気が付いた北朝鮮の人も多くいたことでしょう。ですが、意見をいったりすることは御法度です。命令に従わなかったという理由で処罰されることだって考えられますからね。

 こうして、農業、漁業がダメになっていってしまいます。

 さらには、ソ連が崩壊したのも大きな要因です。

 ソ連や中国から北朝鮮は多くの支援を受けていました。特にソ連からは大量の石油の援助を受けていました。しかし、ソ連が崩壊、ロシアになってしまってからは状況が激変します。

 それまでは、石油の援助に対する支払いは農作物でいいよっ。ということになっていたんですが、ロシアになってからは、現金でお願いします!と冷たい対応。結果、北朝鮮では、石油不足となり工場が動かなくなるんです。火力発電所も動かなくなりますしね。電気の供給もままならない。

 このようにして北朝鮮の経済はどんどん悪い方向へ進んでいってしまったんです。

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