歴史年代ゴロ合わせ暗記 

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カザフスタン


 カザフスタンという国は、かつてはソ連を構成していた15の共和国のひとつでソ連が崩壊した1991年に独立をしました。国土は日本の7倍の272万4900平方キロメートルもあり、旧ソ連ではロシアに次ぐ大きさです。



 民族は、カザフ系、ロシア系、ウズベク系、ウクライナ系、ウイグル系、タタール系、ドイツ系、朝鮮系と多くの民族が住んでいます。

 宗教は、イスラム教徒を信仰している人が多くのですが、ソ連時代に宗教が抑圧されていたこともあり、宗教色は強くはありません。

 政情は、比較的安定しており、旧ソ連諸国の中では最も安定した国と言われてきました。

 しかし、2022年1月に液化石油ガス(車の燃料などに使われるLPGガス)の急激な値上がりに抗議するデモが相次ぎカザフスタン全土に非常事態宣言が出されます。

 カザフスタンという国は産油国です。石油は文字通り「売るほどある」のになぜそんなことになったのでしょうか?

ガザフスタンの大暴動

 もともとカザフスタン国内では液化石油ガスには上限価格が定められていました。つまりは、価格に上限があるカザフスタン国内で石油を売るよりも海外に売った方が高く売れる訳です。その為、国内では燃料不足が起こるようになってきます。そんな中、カザフスタン政府は2022年の1月1日に液化石油ガスの上限価格の撤廃を行いました。結果、LPGガスの価格はなんと2倍になります。

 これに怒った民衆が各地でデモを起こしたわけです。

 慌てたトカエフ大統領は、「LPGの価格を従来よりも引き下げる」という決断をしますがデモが沈静化することはありませんでした。

 石油の価格高騰に怒った民衆は、価格が前よりも安くなったのになぜ怒り収まらずなのか?

 確かに民衆の怒りの発端は石油価格の上昇でしたが、その本質は別のところにあったのです。

 
長期独裁政権への不満

 ソ連時代にカザフ共和国の大統領であったナザルバエフは、独立後もそのまま横滑りの形でカザフスタンの大統領となりました。そこから2019年まで28年間にも渡り大統領の座に居続けます。

 2019年には大統領を辞任するわけですが、自分の側近であったトカエフを後継者に指名。その後もナザルバエフは国家安全保障会議議長として権力を握り続けていたのです。

 それまでも国民はナザルバエフ大統領の長期政権に不満を抱いていてはいましたが、、カザフスタンは、石油、ウランの輸出や小麦などの穀物生産国でGDPも中央アジアの中では高い水準に位置していました。その為、独裁的な政権にも国民は目をつぶってきたのです。

 しかし、2008年のリーマンショックや2014年の資源価格の急落などで経済が衰えていくにつれ、政府に対する不満もどんどん募っていきます。

 そして、2019年には、ある一家の悲しい出来事により、ナザルバエフ大統領は辞任に追い込まれます。生後三か月から13歳までの5人姉妹が両親が夜勤で家を留守にしている最中に火事で亡くなったのです。

 「幼い子がいる家庭であっても両親共に夜勤をしなければ生活が成り立たない。そんな環境が生んだ悲劇だ」としてカザフスタン国内では大きな抗議活動が怒ります。これによりナザルバエフは長く居座った大統領の座から降りることになりますが、その後も権力を持ち続けていたわけです。

 さらに世界中に広まったコロナウイルスによる経済悪化が拍車を掛けたところにLPGの価格高騰でついに国民の怒りが爆発したんですね。

 
カザフスタン大暴動にロシアが介入

 さて、LPGの価格を下げても収まらない暴動・・・。困り果てたトカエフ大統領は、ロシアに助けを求めます。なぜ、他国であるロシアに助けを求めたのか?

 カザフスタンはロシアが主導する旧ソ連圏の軍事同盟である「集団安全保障条約機構」(CSTO)に加盟しています。これによってカザフスタンがロシアに支援を要請した場合、ロシアは軍をカザフスタンに送り込むことが出来るんです。支援要請にロシアは答え、ロシア軍を主力とした2500名の部隊が送り込まれました。

 こうして、周辺国に大きな影響力を示しているロシア。ベラルーシなどもCSTOに加盟していますが、このベラルーシのも政府批判の声が上がるとロシアは介入しています。加盟国で政府を批判する動きがあれば、ロシアは介入し、その国への影響力を強めいていくというわけですね。