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歴史年代ゴロ合わせ暗記>香港国家安全維持法

香港国家安全維持法


 香港国家安全維持法とは、2020年6月30日に中国で成立した法律です。国家分裂、政権転覆、テロ活動、国外勢力との結託により国家の安全を脅かすことが禁止され、最高で終身刑が科せられることになりました。

 これのどここが問題なのか?国家の分裂や政権転覆、テロ活動など行えば逮捕されてもしかたないのでは?と考えてしまいがちですよね。しかし、実は、かなりヤバいですし、日本にもそして世界の人々にも関係があるお話なんです。

 もともと香港は1997年までイギリスの植民地となっていました。アヘン戦争といって1840年にイギリスと中国()が戦争をし、中国が敗北したのですが、その時に香港は中国からイギリスに奪われていたんですね。

 そして、100年以上たった1997年にイギリスが香港を中国に返したのですが、これには条件がありました。それが
一国二制度。「香港は中国にはなったけど、50年間、法律は中国の法律は適用しませんよ。」という約束だったんですね。つまり、2047年までは香港には中国の法律は適用されず、言論や表現の自由は保証されるはずだったんです。

 中国のサイトで「天安門事件」といった中国共産党にとって都合の悪い言葉を検索しても出てこないのは有名ですね。しかし、香港のサイトであれば、これらも出てきましたし、共産党を批判するような本も香港の書店では販売していました。

 しか〜し!中国はそんなのお構いなしで1997年から23年目の2020年に「一国二制度」をうやむやにし、香港国家安全維持法を成立させました。

 では、実際にはどんなことをすると捕まってしまうのか?

 成立直後の8月には、「リンゴ日報」の創業者・黎智英(レイチエイ・ジミーライ)さんが捕まりました。彼は外国の銀行口座を使い中国や香港政府に批判的なSNSグループに資金援助をしていた罪です。同じく周庭(アグネス・チュウ)さんも逮捕されましたが、彼女はSNSを通じ外国グループと結託し中国や香港政府に制裁を求める活動を行った罪となっています。

 まぁ、簡単にいえば中国共産党に批判的な行動、言動をすれば捕まるわけです。

 でも、日本人には関係ないよね。と言っている方も多いのですが、そんなこともありません。

 それが、香港国家安全維持法の第38条!

 「香港住民でない者が香港以外の場所で違反行為をした場合本法を適用する」

 「香港住民でない」←つまり日本人であっても。「香港以外の場所で」←日本国内であっても。「違反した場合には本法(香港国家安全維持法)が適用」されるんです。日本人が日本で中国共産党を批判する行動、言動を行えば、旅行で香港に行った時に突然逮捕されることも考えられるというわけです。

 さらに、国家安全を危険にさらす疑いがある人物には監視、盗聴などを行うことも出来るということになっています。

 Twitterやブログで中国に批判的な文章を書いていて、かなりのアクセスがあったりしたら要注意!!!なんてことも近い将来考えられるわけですね。

 しかし、不思議に思った方も多いのではないでしょうか?なぜか香港でこの香港国家安全維持法に反対しているのは若い人ばかりなのか?

 実は、これにも理由があります。かつての香港では中国に批判的なメディアも存在していましたが、近年は中国資本により香港メディアが買収され、中国寄りのメディアばかりになっていたんです。お年寄りたちは、ネットよりも新聞やテレビによって情報を得てしますよね。つまり、年配者たちは中国寄りの情報に流されやすい環境となっていたんです。対して、若者たちはネットから情報を得ていますからSNSなどを通じて批判的な意見を爆発させたというわけです。

 ですが、「香港国家安全維持法」が成立してしまったので今後はメディアやネットの情報も制限されていくことになります。すると、若者たちも次第に中国政府に対して批判的な意見を述べなくなっていくことが予想されます。

 さらにいえば、これから香港から外国の企業が撤退していくことになります。国籍や十種を問わず、外国人も処罰の対象となりますからね。そこに住むビジネスマンなどは帰国することが予想されますし、外国企業も撤退を考えるはずです。すると、香港の経済力は低下。こうなると香港は中国の経済力に頼るしかなくなるんです。

 徐々に徐々に香港は中国化していくというわけです。それを香港の若者たちはわかっているから必死なんですね。

 日本のとるべき対応としては、兎に角粘り強く、国際社会と協調し中国に対して説得をすすめていく必要があるでしょう。