中国での反日運動がおさまってきた理由
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以前は、中国での反日運動ってニュースでかなり騒がれていましたね。2005年の春頃では、中国各地で反日デモが起こり、我々日本人もテレビの前で眉間に皺を寄せた記憶があるかと思います。
しかし、最近ではすっかりおさまった様子でニュースなどでもあまり報道されていませんね。
首相が靖国参拝などを控えているせいでしょうか?それとも反日運動はあるが報道していないだけなのでしょうか?
2006年、第一次安倍政権の時、安倍首相は就任後、2週間もしないうちに訪中しています。普通は、首相になるとまずアメリカにいくんですね。しかし、安倍首相は当時、まず中国へとあいさつに行ったのです。
当時の中国国家主席は胡錦涛。総理は温家宝でした。中国側としても異例の就任後即訪中という安倍首相の対応に快くしたのでしょう。2007年には温家宝が訪日しています。
胡錦涛は、それまでの江沢民主席時代の経済発展から生まれたひずみを解決しようとしていました。貧富の差などが広がりまくってしまっていて本来目指しているはずの社会主義、つまりみんな平等に豊かになろうという社会からは程遠い現実となってしまっていたんですね。なので胡錦涛は「調和社会」をうたって都市と農村の格差を減らそうと取り組んでいたし、温家宝は2006年の共産党中央政治局常務委員会で「成長」から「格差是正」に重点政策を切り替えるため農村改革に乗り出すことを宣言しました。
つまり、当時の中国の方向性としては、最重要問題は格差是正に切り替えられていたんです。その為、行き過ぎた国民意識、民族意識からくる反日感情はちょっと抑えておいた方がいいな。という感じだったんですね。
以前の中国では、天安門事件といって学生たちが民主化を求めて運動を起こしたりしていたんです。これを中国共産党は力で抑え込んだ!さらに「中国共産党は日中戦争で中国を侵略しようとした日本軍を破り、中華人民共和国を建国した党だぞ!我らの党が中国をまとめあげるのは当然!」そして、国を愛しなさい!かつて中国のピンチだったころを思い出しなさい!ピンチにしたのは日本だ!と反日教育を行ってきたんですね。
胡錦涛としては、別に親日というわけではないんですが、経済成長のためには日本に協力してもらったほうがいいし、北京五輪、上海万博などが控えていたわけです。ですから、反日感情は抑えておきたいところ・・・。そして、タイミングよく日本の総理が変わった・・・。
結果として、安倍首相が最初の訪中となった時に経済や技術協力の強化や国際問題での協力、台湾問題や戦争責任などについて話し合い、靖国問題などは棚上げすることになったんですね。
しかし、その後、胡錦涛の跡を継いだのが習近平国家主席。この人は江沢民派の人です。
大きな動きがない限りは、大きな反日運動が再び起こることはないと思われますが、共産党に不満が集まったりすると反日感情を煽る可能性がないともいえませんね。
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