エルドアン大統領
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トルコのエルドアン大統領は1994年からイスタンブールで市長を務めた後、2003年から与党党首として首相を務め、2014年に大統領に就任しています。
エルドアン大統領の政策はイスラム色の強いもの。また、2016年に軍の一部によるクーデター未遂事件が起こったことをきっかけに報道の規制や反エルドアン派への弾圧を強めています。
エルドアン政権を批判すると「テロ対策防止法」によって捕まってしまうんです。なぜ、テロなのか?テロと戦っている大統領を批判する・・・。そんなのはテロリストと同じだ!ってことで反エルドアン派をみんな捕まえちゃうんですね。
現在では、自由な報道もできません。最後までがんばっていた新聞社も2016年には国有化されています。
また、トルコ共和国の初代大統領であるアタチュルク初代大統領はトルコを近代国家にしようと政教分離、つまり、政治と宗教は切り離そうとしていましたが、エルドアン大統領はトルコのイスラム化を進めています。
まぁ、彼自身が熱心なイスラム教徒なんですけどね。
それまでは、公的な場でムスリムといって女性が頭に巻くスカーフを禁止していたのを解禁したり、お酒の販売を夜は禁止したり、イスタンブールの周辺にはモスクが次々に立てられております。
独裁的なエルドアン大統領を誰が支持してるのか?
トルコは近代化を目指す一方で格差も生み出していました。エルドアンは、イスラムの教えに基づき格差をなくすと訴えたため貧しい農村地帯の人々に支持を得ているといわれています。
批判はないのか?
トルコ内部では、批判すれば捕まってしまうので無理ですね。では、世界からは批判を受けないのか?アメリカなんかでは批判もありますが、日本とかはさほど報道しませんね。では、ヨーロッパは?
実は、ヨーロッパは事情があってあまり批判ができません。難民問題というのがありましたね。2015年にシリアから難民がEUに大量に押し寄せてきたんです。ヨーロッパにあまりにも難民が押し寄せてくるもんだから、あっちいけ、こっちいけで押し付け合いになっていました。
そんな中、2016年にEU加盟国とトルコとは首脳会談でトルコからギリシャに不法入国した難民や移民は、いったんトルコに送り返すという約束をしたんです。トルコが難民を留め置いておかないとなると100万人単位の難民がヨーロッパに押し寄せてくる可能性があるのでフランスもドイツも大っぴらにはトルコを批判しません。
選挙で覆る可能性はないのか?
2019年3月にイスタンブールで市長選がありましたが、この時、野党候補が勝利し、エルドアン大統領の与党、公正発展党(AKP)が25年ぶりに市長の座を失うことになりました。
しかーし!「そんなのおかしくない?」とAKPは不正行為があったとし選挙のやり直しをすることにします。
2019年に再び選挙。ですが、これでも野党のイマモール氏が勝利!さすがにエルドアン率いるAKPも諦め、エルドアン大統領もツイッターで「祝福する」と言及しております。
この選挙により、エルドアンの求心力も落ちているのではないかともいわれています。
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