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アメリカ大統領選の仕組み


 アメリカの大統領選挙は知っての通り、日本の総理大臣を選ぶ仕組みとはかなり違います。

 日本では、国会の指名に基づいて天皇が総理大臣を任命します。つまり、国民が直接、総理大臣に投票することはありません。しかし、アメリカでは、国民の投票によって大統領が決まります。ですから、アメリカ国民は大統領選挙に熱狂するんですね。

 では、アメリカではどのようにして大統領が決められるのでしょうか?



 まずは、民主党、共和党各々の中での戦いから始まります。アメリカの2大政党ですね。もう、100年以上このどちらかの党から大統領が選ばれています。

 つまり、大統領に選ばれるためには、まず自分の所属する政党の候補者として選ばれなければなりません。これが、予備選挙といわれるものや党員集会といわれるものなのですが、この予備選挙という方式で候補者を決めるのか、党員集会で決めるのかは州によって違ってきます。

 
予備選挙というのは、まぁ、普通の選挙に近いものです。ただし、大統領候補に投票するのではなく、その候補者を支持している代議員に投票します。しかし、一様に予備選といっても州によって得票数によって代議員の割り当てが決まる州もあれば、過半数を獲得したらその州の代議員全員の数を獲得できるといった州もあり様々です。

 
党員集会というのは、地域で学校やらの広い施設に党員が集まって議論しどの候補者を支持する代議員を推すか決めます。最終的には、多数決で決められますが、予備選挙と違い党員集会では公開投票となります。そして各地域での結果を州にてとりまとめ、どの候補者を支持する代議員を何人送るかを決定します。

 この予備選、党員集会の日程も各州によって違ってきます。党員集会はアイオワ州が予備選挙はニューハンプシャー州が全米で最初に予備選、党員集会を開きますが、もはやこれは恒例となっています。全米の注目が集まりますからね。州にとっては、ちょっと”おいしい”のでしょうね。

 また、
「スーパーチューズデー」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?まぁ、名前の通り火曜日に実施されるものなのですが、各州が同時に予備選、党員集会を行う日ですので、これにも注目が集まります。

 さて、これによって党の代表者が決まると民主党、共和党ともに
党大会というのを開きます。ここで正式に大統領候補を発表することになります。さらに、この時に副大統領候補も発表されることとなります。

 ここまで来てやっと本選挙に入ります。いよいよ、絞られた2人からどちらを大統領にするか決めるわけです。しかし、アメリカの大統領選挙は、ここからさらにややこしい・・・。

 冒頭でアメリカの大統領選挙は国民が選ぶと書きましたが、実際に国民が直接大統領に投票するわけではありません。
大統領選挙人という人に投票します。

 大統領選挙人は、全部で538人。各州にて、大統領選挙人の数は人口などを参考として割り振りされます。大半の州では、投票で一位になった候補者がその州の選挙人を総取り。選挙人の総数の過半数、つまり270人の選挙人を獲得した候補者が大統領となるわけです。

 なんで直接大統領の名前で投票せず、わざわざ選挙人に投票するなんぞ、まどろっこしいことをしているのか?まぁ、本当はあんまり意味がないんですけどね。昔からの風習です。

 昔は、アメリカ全土で投票なんていっても無理なんですね。広いですし交通も整備されてませんからね。さらに文字を書ける人だって限られていました。また、今みたいにテレビやインターネットもありませんから、「税金なしにしますよ〜」なんてうまいこという政治家がいたら、ついその人に投票が集中しちゃうなんてこともありえなくはありません。

 そこで大統領を選ぶ判断力を持った人たちに大統領を選んでもらおうってことで「大統領選挙人」が生まれたわけです。しかし、1830年代に入るとやっぱり国民に選んでもらった方がいいでしょ。ということになり、選挙人を国民が選ぶという今のかたちになりました。

 国民は、応援する候補者の選挙人に投票し、選挙人が機械的に形式上投票というかたちをとり大統領が決められるわけですから、この中間の選挙人は、本来いらないんですが、しかし、この選挙人が間に入ることで不思議なことも起こります。

 それが州で投票1位になった候補者がその州の選挙人を総取りするという制度。

 たとえばA州でa候補は10万票集め、b候補は9万票でa候補がA州の選挙人50人を総取りしたとします。次にB州にてa候補は5万票、b候補は7万票でB州ではb候補が選挙人30人を総取りしました。

 結果は、選挙人50人を集めたa候補の勝利でa大統領の誕生です。しかし、実際、合計の票では、a候補が15万票。b候補は16万票でb候補の方が多く票を集めていたんですね。総取り方式であるため、こんなことも時に起こることもあります。

 さらに日本人では、ちょっと不思議に思うことがあります。大統領選挙の投票日は
「11月の第1月曜日の翌日」と決まっているんです。なんでわざわざ仕事のある火曜日を選ぶんだよ!って日本人なら怒っちゃいますね。アメリカではキリスト教の人が多いのはご存知ですね。そして、日曜日は安息日といって仕事はしないようにしましょうという日なんですね。教会にいったり、家でゆっくり過ごしたりする大切な日なわけです。じゃ、土曜日は?土曜日はユダヤ教の安息日なんです。まぁ、月曜でもいいんでしょうけど、事前準備が前日だと結局、土日に準備する人が働くことになるのでそれも避けようってことで第1月曜日の翌日となったんですね。なんで、火曜日っていわないの?って疑問に思うでしょうが、11月1日が火曜日だとそれも避けなけらばならないんです。万聖節という、これもキリスト教で大切な日なので11月1日を避けた火曜日。つまり、「11月の第1月曜日の翌日」ってことになったんですね。