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物価上昇わかりやすく


 物価上昇率2%を目指しながらもなかなか実現できない日本。そもそも物価の上昇はどうすれば起こるのか?なぜ、日本では物価が上がらないのか?今回は、その辺をなるべくわかりやすく解説していきます。

 
物価はどうすれば上がるのか?

 そもそも物価はどうすれば上がるのか?これは、需要と供給の関係にあります。簡単に言ってしまえば「売りたい」という商品やサービスより「買いたい」と思う人の方が多ければ物の価値は上がるんですね。

 限定品の時計やスニーカーなど発売して即完売。インターネットなどで高額で取引されているケースと一緒です。生産して市場に出回っている数よりも買いたいという人の方が多ければどんどん価格が上がっていきます。

 では、これを国単位で考えるとどうなのか?

 日本国内での総供給(労働・資本・生産性)が総需要(消費・投資・政府支出・総輸出)が上回れば物価は上がるんですね。
 
 つまり、日本の総供給<総需要=物価上昇

 というわけです。

 でも、需要って何?どうすれば上がるの?

 まずは、消費ですが、これは我々がいろいろな物を買うことですね。食品や衣類、車なんかを買うことです。しかし、長年の不景気で欲しいものはあってもなかなか買えませんよね。将来も不安ですしね。ってことで消費を増やすのがまず難しい・・・。

 次に投資。これは設備投資などです。企業が工場を新しく作ったり、家を建てるなども投資となります。う〜ん。これもお金がそもそもないし、企業も不景気の会社だと難しいですね。

 そして、政府支出。これは公共事業なんかです。緊縮財政なんていう言葉を見たり聞いたりしたことはないでしょうか?政府がお金を使わなくなってきているんですね。

 最後が総輸出。輸出した分から輸入した分を差し引いたものが総輸出となります。輸出すれば国内にお金が入ってきますからね。出来れば輸出を増やしたいわけですが、これもなかなか難しい。

 ということで日本では、長年物価上昇を上げることが出来ずにいたわけです。

 
物価上昇を達成するには政府は何をするべき?

 まずは、消費。これを増やすためには、国民の給料を上げる必要があるわけです。給料上げれば、当然、欲しいものも購入できますからね。それに物価だけ上がって給料上がらなければ生活が困窮していくだけです。ですから、政府は物価の上昇と共に賃金アップを目標としています。従業員の給料を上げたら法人税免除や政府の介入でき、かつ仕事量の割に賃金が低いとされている保育士や介護職の給料アップ。経済界にも賃上げを要請しています。

 次に投資ですが、設備投資をした会社には法人税減税などを行っています。

 まぁ、消費や投資については、政府としては限界がありますよね。無理に企業に対して給料上げろ!設備投資しろ!なんて言えませんからね。しかし、政府支出に対しては、政府が直接決断を下すことが出来ます。

 現在なぜ政府が支出しても物価が上がらないのか?支出しているお金が物価上昇と関係ないところに多く使われているんですね。

 基本的には100万円使ったら100万円以上のリターンがないと消費や投資といった分野が育ちません。ですから、景気を良くする為には今後、成長が見込める分野への政府支出が必要となります。EVや5G。長期的に見れば教育の分野など。政府が背中を押して企業を支える姿勢が消費や投資、賃金アップへと繋がっていくわけです。専門家によっては、その為には国債を多く発行しても問題ないといった発言も多く出ています。

 
政府支出はどれくらい必要?

 日本がデフレから脱却し物価上昇、景気を良くするためには適切な分野への政府支出が必要です。とはいえ、限界がありますねよ。無限にお金が使えるわけじゃありません。国債を発行しまくって支出を増やしすぎたら今度はインフレになってしまいます。では、どれくらい使っていいものなのか?

 内閣府が定期的に需給ギャップというものを発表しています。

 これは、総供給に対して総需要がどれくらいプラスマイナスなのかを計算したものですが、2021年7〜9月期で27兆円。つまり、供給能力が需要を27兆円超えているという計算です。言い換えれば27兆円分の需要が足りないんですね。27兆円使わなければ物価は上がらず、デフレ傾向が続くというわけです。

 2021年10〜12月期でも17兆円。つまり、これくらいお金を政府が使わなければ景気は良くならないということなんです。

 
コストプッシュ型インフレ

 さて、物価の上がる要因として円安などで輸入品の価格。または、一定の商品の価格上昇によって起こる物価上昇があります。石油や小麦の価格が上がり物価が上昇してしまうパターンです。

 これは、政府の望むインフレとは異なる物価上昇で「コストプッシュインフレ」などと呼ばれます。

 このコストプッシュインフレでは、賃金が上がらない。つまり、需要を減らしデフレ化の要因となります。インフレなのにデフレの要因というのは矛盾しているようですが、基本的に輸入品を主とした物価上昇は日本が儲からないので将来的なデフレを招く要因となるわけです。

 
私たちに出来ること

 では、物価の上昇、賃金の上昇、景気上昇を目指し我々の出来ることは何なのでしょうか?

 まずは、正しい知識を持つことが大切だと感じます。国債に対する知識や政府の支出が何に使われているのか?社会保障や困っている会社を助けているだけでは景気は上向きません。複数のメディアや新聞なのを通じて正しい知識を得ることが大切かと思われます。