歴史年代ゴロ合わせ暗記  

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小選挙区比例代表制の問題点


 現在の衆議院の選挙制度は
小選挙区比例代表制ですね。選挙権を持っていない学生の方なんかでは、なんじゃそりゃ?って感じの人も多いのではないでしょうか?

 
小選挙区制

 小選挙区っていっても別に中選挙区制度に比べて選挙区の面積が小さくなったというわけではありません。

 小選挙区というのは、
1つの選挙区から1人しか当選しない選挙区のことをいいます。ちなみに大選挙区というのは、ひとつの選挙区で国会議員を全員選んでしまおうという選挙制度。中選挙区は複数の当選者がでる選挙区のことです。

 小選挙区のデメリットとしては「死票が多くなってしまう」という点があります。たとえば、1000人の有権者がいたとしますね。それに対して立候補者は3人でAさん、Bさん、Cさんといたとします。小選挙区なので選ばれるのは1人だけです。

 三つ巴の接戦の結果、Aさんが400票を獲得!見事当選を果たしました。Bさんは残念ながら350票で落選。Cさんも250票で落選です。

 このように有権者の意志が反映された票は400票ですので40%です。残りのBさんとCさんに投票した60%の人の票が死票となってしまうんですね。意志が反映された票より死んでしまった票の方が多いということもありうるのです。

 実際に2005年郵政選挙といわれた選挙が実施されました。小泉総理の時ですね。この第44回衆議院議員総選挙では自民党が圧勝といったイメージを持っている方が多いと思います。議席数は民主党との差が7:3を超える大差となりましたからね。しかし、これ得票数でいえば4:3の比率でしかなかったんです。ちなみに2008年の民主党が政権交代を果たした第45回衆議院議員総選挙では議席数では221:64で民主党が圧勝。しかし、得票数ではこれも4:3ほどの差しかなかったんですね。

 つまり、死票が多いということは、小選挙区の制度では、民意が十分に反映されるとはいえないといえます。

 では、なぜ小選挙区制度を取り入れているのか?そもそも、以前は中選挙区制を導入していたはずなのになんで小選挙区制にかえてしまったのでしょうか?

 小選挙区制が導入されたのは1994年の細川内閣の時。当時は、政治とお金の問題がいろいろ出てきた時代でした。1993年の金丸事件。これは、自民党の金丸前副総裁が事務所から無記名の債権やら金の延べ棒やら36億円分の隠し財産が見つかり東京地方検察庁特捜部に所得税法違反の疑いで逮捕された事件です。金の延べ棒ですからねぇ。ルパン三世が金庫から盗む”あれ”を山ほど持っている人が本当にいたんですからねぇ。そりゃ、ニュースなどにも当然大きく取り上げられますし、インパクトも強かったんです。

 実は、金丸さんは、その前の年にも佐川急便から5億円の献金を受けていたことがわかっていて副総裁を辞任していたんです。また、金丸さんは大手建設会社(ゼネコン)から多額の資金提供を受けていたことがわかり、その捜査から芋づる式に他の議員の汚職もわかったりしてきたんです。

 これで世論は「政治家のやろう、金儲けにばかり走りやがって!」と怒ったんですね。

 それなら、選挙制度を見直しましょうということになります。

 なんで選挙制度を変えると政治と金の問題が解決されるのか?まぁ、完全に解決するわけじゃないんですけど、当時の中選挙区では、ひとつの選挙区から2人ないし5人くらいの当選者が出るんですね。すると自民党なんかでは、過半数をとるためにひとつの選挙区に自民党の議員が複数送り込むんです。でも、同じ自民党員ですから政策はいっしょです。つまり、有権者からしたら選ぶ基準がないんですね。すると何で選ぶか?顔?声?それもあるでしょうが、後援会なんかも持っている候補者は有利になるんですね。後援会は結構なお金がかかります。もちろん、選挙自体にもお金がかかりますので政治家=お金が必要ってことになりかねないんですね。

 また、中選挙区では、おなじ政党どうしても選挙中は敵同士になります。そうなると派閥に入った方が有利になります。大きな派閥に属していればそれだけ選挙応援や資金援助が期待できます。もちろん、当選した際には派閥に恩義を感じ、派閥のトップを大臣、あるいは総理にしようと頑張ります。派閥の上の方の人は、そういう人をたくさん抱え込むためにやっぱりお金が必要なんですね。

 これじゃダメだ!ということですでに1990年に海部総理の時小選挙区比例代表並立制が答申されていたんですが、これが見直され1994年に導入されることになったのです。

 でも、まぁ、よくよく考えてみたら中選挙区=お金がかかる/小選挙区=お金がかからない/と一概に言い切れるものでもないんですけどね。本当にお金がかからない選挙にするのであれば、公職選挙法を改正した方がいいような気もします。

 ポスターやリーフレットなんかは選挙管理委員会で一括して印刷し平等に配布すればいいってみんな考えていることですしね。選挙カーで名前だけ連呼するような無駄な活動もガソリン代の無駄なので制限してしまえばいいっていう案も昔から出ていますよね。

 まぁ、あまり制限しすぎてしまうと候補者の熱意なんかが伝わりづらくなってしまうという考えもあるでしょうがもっとネットなんかをうまく活用できれば、かなり選挙でのお金は節約できるような気もします。


 
比例代表制

 さて、ちょっと長くなってしまいましたが次は比例代表制のお話しです。小選挙区比例代表制では、上で述べた小選挙区+比例代表制というのが用いられています。

 比例代表制というのは、政党名で投票すること。自民党とか民主党とかですね。政党は、概ね得票数に比例して議席を獲得できる。

 ちょっとややしいんですけど、衆議院では政党名でした投票できないんですが参議院では候補者名でも投票できるようになってますよ。

 よくタレント議員と呼ばれる人が立候補していたりしますよね。それを各党の偉い人がやたらプッシュしていたりする。これは、その人の人気にあやかって政党名を書いてもらおうという作戦なんですね。まぁ、タレント議員と呼ばれた人でも実際に議員となってからは大活躍している人が沢山いるのでいいんですけどね。それを後ろでプッシュしている人たちの思惑が見え見えっていうのはちょっと悲しい気もしますよね。

 この比例代表制でのメリットは死票が少なくなるということです。また、小選挙区が大政党に有利だといわれているのに対して中小の政党でも比例代表なら当選者が出しやすいといわれています。ただし、無所属の人は立候補すらできません。超がつくほどの小政党も事実上立候補は難しいです。1人当たり600万円の供託金が必要だったりしますし、選挙区と合わせて最低10名は候補者が必要ですからね。

 また、比例代表制のデメリットは「この党が好きだけど、その党に入っているコイツは嫌い!」となった時にどうにもならないんです。A党を応援したいけどA党の名前を書くと大嫌いな候補者、A党のBさんが当選しちゃう可能性があるからなぁ。と迷ったときにどうにもならないんですね。

 
小選挙区比例代表制

 現在の選挙制度には問題点も多く残されています。ですが、小選挙区になってからは、各選挙区でちょっとづつでも票が動いただけで現在の議員の人が片っ端から落選なんてこともありうるようになっているんです。いわゆる大物議員なんて言われていた人でも問題発言が重なったり、また所属している政党が問題を起こした場合、中選挙区なら2位に入っていればとりあえず当選できたものが、小選挙区では落選。比例にも引っかからず・・・。なんてこともあり得ます。

 それだけ1票って大きいんですね。日本の未来が変わっちゃうくらい大きいんですね。

 そう考えるとちょっと怖い気もしますが、選挙権のある人もこれからの人も逃げずにニュースや新聞はチェックして選挙に備えなければ・・・。