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歴史年代ゴロ合わせ暗記政治について>三権分立

三権分立って何だ?


 三権分立とは、18世紀にフランスの哲学者であるモンテスキューが著書「法の精神」で唱えたものです。日本をはじめとしていくつかの国でこの三権分立の制度を採用しています。

 まぁ、この三権分立というのは、じゃんけんみたいなもの。

 法律を作ることのできる
立法権。これが国会。その法律にしたがって政治を行う行政権。これが内閣。国会や内閣が法律に違反していないか見張る司法権。これが裁判所に与えられています。

 司法、律法、行政の三権分立って覚えている方も多いでしょう。

 この3つの権力機関にそれぞれの権力を与えてお互いに監視したり抑制するような仕組みを作っているわけですね。


 
 ちょっと見慣れない言葉も出てきていると思いますので説明しますね。

 まず、国会ですが、国会は内閣総理大臣を国会議員の中から指名することができます。また、内閣に対して不信任決議案を出すこともできます。内閣を信任しない。つまり、今の内閣は信頼できないねぇ。退陣してくれないかなぁ。と意見をいうことができます。さらに裁判所に対しては不正を犯した裁判官を裁く弾劾裁判というのもできます。

 次に内閣。内閣は衆議院に対して解散をさせることができます。ここでいう国会というのは、衆議院と参議院で構成されている組織のこと。会議の国会とは違います。その中の衆議院に対して解散させることができるんですね。また、裁判所に対しては最高裁判所長官の指名をすることができます。

 そして、裁判所。裁判所は内閣や国会に対して違憲審査権。つまり、法令やら処分やら国会や内閣が決めたり行ったりしたものが憲法に違反していないかの判断を下すことができます。

 このように3すくみの状態が三権分立の特徴でありメリットな訳ですね。

 しか〜し!憲法には、こんなことが書かれているんです。

 「第41条 国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」

 あれ?国会が最高機関?国会が最高に偉いって憲法に書いちゃってますね。憲法では、国会が最高機関だと書いちゃっているんです。では、実際のところどうなのか?

 実は、これがややこしい。現状としては、実は内閣の力が強くなってしまっているんです。

 なんでかというと裁判所は内閣に対して違憲立法審査権を持っていますがあまりそれをしたがらない。なぜかといえば内閣は裁判所に対して最高裁判所長官の指名や最高裁の裁判官の任命などの人事権を持っている。これは、はっきり言って裁判所にしたらかなり怖いですよね。さらに内閣は法務大臣による指揮権を発動させれば司法に介入することもできなくはない。

 また、国会に対しても内閣は解散という大きな権限を持っている上に国会は唯一の立法機関、つまり法律をつくることのできる権限を唯一持っているといっておきながら、実は内閣も政令なんていう法律と同じようなものを制定する権限を持っているんですね。

 つまりは、いびつな三角形に実際のところなっていまっているというのが現状。ただし、この三権分立の中心には国民がいるってことを忘れてはいけません。

 国民は国会に対しては選挙という武器があるし、裁判所に対しては国民審査といって最高裁判所の裁判官にふさわしいかどうかを国民が審査することができます。また、内閣に対しては世論という武器を持っていますね。世論調査などであまりに低い数字をたたき出すと退陣に追い込まれます。

 三権分立の中心には、我々国民がいるってことをしっかり認識しておくことが大切ですね。