歴史年代ゴロ合わせ暗記  

歴史年代ゴロ合わせ暗記アメリカ合衆国の歴史ニューディール政策の内容

ニューディール政策

 
 アメリカから端を発した世界大恐慌。この対策としてアメリカが打ち出したのがニューディール政策(1933年〜)でした。では、このニューディール政策を打ち出したのは誰か?フランクリン・ルーズベルトですね。最近では、ローズヴェルトと書かれることが多いですが、日本語表記の違いで同じ人物です。

 このニューディール政策の特徴はというと、簡単に言ってしまえば政府が経済活動に介入するということ。それまでは、企業に自由にやらせていたわけですけど、大恐慌となったからには政府が口出しして調整しますよ。っていう事。

 では、どのように政府が経済活動に口出ししていったのか?その内容を見てみましょう。

 このニューディール政策の最重要法律といわれているのが
全国産業復興法(略称NIRA)。これは、企業に生産調整を要求し、その為カルテルといわれる企業連合を形成させます。ほおっておくと同じ物ばかり作りすぎて製品が余りすぎてしまうので、それを調整しようとしたんですね。

 また労働者には最低賃金を保証し、団結権や団体交渉権を与えます。これによって労働意欲や購買意欲を高める狙いがあったのです。

 ところが、空気が読めないというか、さすがアメリカというか、この法律に裁判所は「国家が生産統制をすることは違法である」と判決を下すのです。非常事態だろうが何だろうが違法は違法だ!といっちゃうからスゴイ・・・。

 とはいえ、国民の支持もありアメリカの国運をかけたともいえるこの法律。何としても実行しなければならないということで、上院議員のワグナーの提唱でこの法律の労働者の権利に関する部分のみを1935年に
ワグナー法として成立させます。これで裁判所も文句ないでしょってことですね。

 農業についても政府は口を挟んでいきます。
農業調整法といわれる法律でこちらの略称はAAA。農業の生産を制限、調整し、あまった生産物は政府が買い取り農業生産物の価格を安定させたりするわかですが、しかし、こちらも1936年に違憲判決が出されます。

 また、
金本位制の停止も行います。なんじゃ?金本位って?

 金本位っていうのは「これだけのドル紙幣を持っていたら、これだけの金と交換できますよ」っていう約束事。例えば10ドル持ってきたら、必ず1グラムの金と交換できるっている決まりな訳です。

 しかし、当時のアメリカは兎に角財源がないので紙幣を増刷していきます。こうなるとインフレ。つまり、お金の価値が下がって100円のジュースが200円とかになっちゃうんです。仮に紙幣の価値が半分に下がった場合、金本位が生きていると金の価値も半分になってしまいます。

 すると国内外から金を買いあさられちゃう訳で政府所有の金がどんどん流出していってしまうとこが考えられたのですね。だから金本位の停止に踏み切ります。

 外交では、
善隣外交政策(ぜんりんがいこうせいさく)というのをとりました。貿易の拡大を期待してソ連の承認。ソ連は1922年に成立していたんですがアメリカは認めてなかったんですね。しかし、「貿易が拡大する可能性があるなら」と1933年にソ連を承認したんです。また、それまで保護国としていたキューバの独立を認めたり、ハイチやニカラグアからの海兵隊も引き上げさせます。つまり、それまでの威圧的ともいえる外交からやや友好的な外交へと方向転換していったのですね。

 さて経済的なピンチを乗り切るために出されたニューディール政策。しかし、皮肉なことに大恐慌の最終的な解決となるのは政策ではなく戦争であったといわれています。そうアメリカの第二次世界大戦参戦ですね。これにより軍需産業が拡大。多くの労働力が必要とされ、生産活動は刺激を受けることになるのです。


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