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バブル経済の原因と崩壊

 

 
かつて、日本はバブル経済といってかな〜り浮かれていた時代があったということは、みなさんご存知でしょう。学生さんならお父さんの時代、おじいちゃんの時代かな?

 でも、このバブルという時代。どのようにして発生し、そして崩壊していくことになったのでしょうか?

 今回は、その辺をなるべくわかりやすく説明していきたいと思います。

 まず、バブルっていつなの?1986年の終わりごろから1991年の初めごろまでを一般的にバブル景気と呼びます。

 では、このバブル経済はどのようにして始まったのか?

 
バルブ経済の始まり

 当時の日本は大幅な貿易黒字だったんです。逆にアメリカはかなりの貿易赤字でした。簡単にいってしまえば、日本は貿易で儲けを出していて、アメリカは貿易で損をしていたんですね。これが1985年にはピークに!

 そこで、アメリカの貿易赤字を減らすために
プラザ合意というのが行われます。1985年、場所はニューヨークのプラザホテルで行われたのでプラザ合意です。集まったのは、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、そして日本の銀行のトップや当時の大蔵大臣クラスの人々。

 じゃ、どうやってアメリカの貿易赤字を減らすのか?
ドル安にしちゃえばいいんですね。日本でも円安になると喜ぶでしょ。輸出がしやすくなるって!

 円安なら外国からみて日本製品が安く買えるので海外で日本製品が売れやすくなるんです。逆に輸入する海外製品は高くなるので買わなくなる。ですから貿易黒字になるという訳です。なのでアメリカはドル安になるように各国に協力を頼んだんです。

 日本もこれを受けて、日銀が円高ドル安になるよう日銀が保有している大量のドルを円に替えます。すると、外国為替市場にドルが大量に溢れることにより、ドルの価値は下がり、円の価値が上がるんです。これで、円高ドル安です。

 ですが、この状態。ドルを売って円を買えば儲かるんじゃん!とみんなが飛びついてしまいます。政府が予想していたよりもはるかに上回るスピードで円高ドル安が進んでいったので、日本の輸出企業が大ダメージを受けてしまうんです。もう、円高不況っていう状態になっちゃうんですね。

 そこで日銀は
公定歩合といって日銀が一般的な銀行にお金を貸すときの利息を2.5%まで引き下げます。1986年では5%だったのを1987年には2.5%まで下げたので大盤振る舞いです。日銀の利息が下がれば、銀行も利息を下げて企業にお金を貸すので企業などは喜んでお金を借りたんです。

公定歩合とは日銀が一般的な銀行(みんながお金を預けたり、借りたりしている街にある銀行)へ貸し出すときの金利のこと。この公定歩合が下がれば、銀行の金利も下がるので企業や個人もお金を借りやすくなる

 当時は「
土地神話」というのが信じられていました。土地の価格は必ず上がる!上がり続ける!という神話・・・。これをみんなが信じているとどうなるか?土地を持っていれば、必ず儲かるわけですのでみんな土地を欲しがりますよね。だって、絶対に土地の価格は上がり続けるんですから。そうすると土地を欲しがる人が増えます。欲しい人がたくさんいても売れる土地には限りがありますね。すると本当に土地の価格は上がっていくんです。

 「たまごっち」というゲームが昔流行りました。欲しい人はたくさんいるのにお店が売れきれ状態だったので数万円という価格が「たまごっち」についていたことがありましたが、それと同じです。

 たまごっち同様、「こりゃ、大儲けできるぞ!」ってことで借金してでも土地を買おうという人が増えます。銀行の金利が安いので、もう借りられるだけ借りちゃぇって感じの人も多かったのでしょうね。さらに、その土地を担保にして、再び借金して、また土地を買うというサイクルも・・・。

 銀行も通常1000万円の価値しかない土地の担保でも2000万円貸すといったことをしていました。土地の価値は必ず上がるって信じていますからね。土地さえ担保で押さえておけば安心ですし、個人の成績も支店の成績も上がりますから。

 そして、バブルの始まりです!

 
資産インフレ

 1000万の価値しかない土地を担保に2000万円借りて土地を買い、その土地を3000万円で購入。ハイ。1000万円の儲け!

 もう、笑いが止まりません!「モットヨコセ。モットカネヲ・・・」心の中でそう叫ぶ声が・・・。

 ってことで株や土地で大儲けした人が日本中にたくさんいたんです。通常、インフレというのは、すべての物の価格が上がってしまうことをいいます。パンを買うのにカバンいっぱいのお札を持っていかなきゃならないとかね。でも、当時の日本はそうはなりませんでした。

 土地や株などの資産の価格だけが異常に上がっていったんです。こういう状態を
資産インフレ又はバブルっていいます。

 日本がインフレにはならず、資産インフレに留まっていたのには、円高の影響がありました。海外から安い商品が大量に日本に入ってきたおかげで日本の物価は上がらずに済んだんです。物価が上がる原因であるバブルと物価が下がる要因である円高による安価な大量の輸入品のバランスのおかげでインフレは避けられたんですね。

円高が進むと輸入品が安く大量に国内に入ってくるので物価は下落の方向に進む

 ですが、このままではインフレになってしまうぞ。と警戒したのが政府と日銀。

 日銀は、インフレになるのを防ぐ為に
「不動産融資総量規制」「公定歩合の引き上げ」を行いました。

 
バブルの崩壊

 「不動産融資総量規制」っていうのは、銀行は土地の売買に関するお金を貸してはいけないっていう決まり。これによって不動産の会社に流れるお金がかなり減ります。

 また、日銀は公定歩合を2.5%から6.0%まで引き上げました。

 これによって土地の価格は下がったわけなのですが、急激な変化によって景気は落ち着くどころか悪くなってしまったんです。

 銀行からたくさんお金を借りて土地を買っていた人は、安くしても土地が売れない。売れないからお金を返せない。銀行は、貸したお金が返ってこないから企業などにお金を貸すことができない(貸し渋り)。企業は、銀行からお金を借りられないから新たな事業に乗り出せない。経営のピンチも乗り切れない。会社員も企業の業績が悪いので給料が少ない。少ないから買い物を控える。

 といった悪い流れが出来上がり日本は、バブル崩壊後、あらゆる景気対策を打ち出しながらもうまくいっていません。

 「ゼロ金利対策」などを打ち出しお金を借りやすい状態をつくったりもしましたが、先行きが明るくないと人も企業もお金を借りようとしないんですね。公共事業もかつては、何もない所に道路をつくったりすれば、その周辺に商店ができて経済効果が大きかったのですが、今では道路がいたるところに張り巡らされていて効果も少ない。

 要は、みんながお金を使ってくれるような政策が打ち出せればいいんですけど、やりすぎると再びインフレの方向に進んでしまうので、その辺りが難しいんですね。

 みなさんなら、どのような政策を考えます?頭の体操だと思って考えてみるのもいいですね。


景気動向指数とは